エアコン掃除に洗浄スプレーはおすすめ?プロ業者に聞いた効果や使い方

エアコン掃除を洗浄スプレーでやる方法

ホームセンターやドラッグストアで夏前になると必ず売られているエアコン掃除スプレーですが、実はエアコンを完全に綺麗にすることができないことはご存知ですか?

CMでは「エアコンがピカピカ!」と宣伝されているので勘違いしている人も多いですが、エアコン掃除スプレーはエアコンのカビ臭さを軽減する効果とプロ業者によるエアコンクリーニング回数を減らすことができる簡易的なお掃除方法です。

そして、エアコン掃除スプレーは素人にも安全に使えそうに見えて実は注意しなければ火災の原因にもなります。

この記事ではエアコン掃除スプレーの効果的な活用方法やプロに聞いた注意点、おすすめのエアコン掃除スプレーをご紹介しながら実際にエアコン掃除スプレーを使ってエアコンの掃除をした様子を公開しています。

紹介内容

エアコン掃除スプレーの効果

まずは私が実際に使ってみて感じた効果や、プロのエアコンクリーニング業者に聞いた効果をご紹介します。

エアコンクリーニングの回数を減らせる

エアコンクリーニングはプロにお願いすると1台/13,000円前後します。

毎年エアコンクリーニング業者にお願いするのが一番理想的ですが料金が安くはないため、清潔に保ちつつ節約する方法として活用できるのがエアコン掃除スプレーです。

新品のエアコンかエアコン業者にクリーニングをしてもらったエアコンであれば、その後3年前後はエアコン掃除スプレーで簡易掃除するだけでエアコンをある程度清潔に保つことができます。

逆に、購入後5年前後使用したエアコンや一度もエアコン掃除をしたことがないようなエアコンの場合にはエアコン掃除スプレーをしても汚れを落とすことが難しいためほとんど意味がありません。

エアコンスプレーのおすすめできる活用方法は、3~4年に1度はエアコンクリーニング業者に掃除をお願いし、その後の数年間はエアコン掃除スプレーでお手入れするというのがおすすめです。

臭いやカビを軽減できる

スプレー掃除ビフォーアフター

エアコン掃除スプレーのほとんどが弱アルカリ性成分の薬剤で作られていて、消臭成分も配合しています。

熱交換器(アルミフィン)部分に吹きかけるエアコン掃除スプレーで掃除をすることで、軽いカビの汚れを掃除することができ、消臭成分の効果で臭いも軽減することが可能になります。

しかし、スプレーをした後はエアコン内部をしっかり乾燥させる必要があります。乾燥させずに放置してしまうと余計にカビが生えたり臭いが気になる原因となります。

スプレーの使用方法は販売メーカーによって異なるため裏面の記載をしっかり読んでから使いましょう。

多少の汚れは落とせる

エアコン掃除スプレーでもアルミフィンの目地に詰まっているカビやホコリの汚れを多少落とすことが可能です。

エアコンクリーニング業者の高圧洗浄機を使ったクリーニングと比較してしまうと、その差は歴然ですが簡易的なお掃除としてはスプレーでも効果を期待できます。

汚れが溜まった状態ではなく、汚れが少し付着してきた程度のエアコン汚れにはスプレーは効果的と言えます。

エアコン掃除のプロに聞いた!
スプレーがおすすめできない理由

エアコン掃除スプレーの効果をご紹介しましたが、逆におすすめできない理由や注意点についてもしっかりご紹介しておきます。

内部ファンが綺麗にできない

エアコンの内部送風ファン

内部の送風ファン

エアコンから風を送り出すために内部でクルクルと回転している送風ファンは、エアコンの中心部付近に位置しているのでスプレーでは完全に綺麗にすることができません。

ファンを取り囲んでいるエアコンカバーやルーバーを外して掃除することもできますが、外し方はメーカーによって異なり、さらにエアコンはプラスチックで作られているのでパーツが割れたり折れたりしてしまうため素人が簡単に取り外せるとは言えません。

送風ファン部分はカビやホコリが一番付着している部分で、構造的にも隙間が多く市販スプレーだけでは綺麗に落としきることができません。

それどころかスプレーを使用することによってエアコン内部に薬剤が付着した状態になり、新たなカビの原因になってしまうこともあります。

熱交換器(アルミフィン)の
汚れを落としきれない

エアコンアルミフィンの汚れ

このレベルで汚れている場合にはスプレーでは掃除不可です

アルミフィンはエアコンの蓋を開けて、フィルターを取ると見える銀色の部分のことです。

アルミフィンにエアコン掃除スプレーを吹き掛けるタイプの商品が多いのですが、この熱交換器(アルミフィン)部分の汚れもスプレーだけでは完全に落としきれません。

ホコリやカビが多い状態でエアコン掃除スプレーをしてしまうと、汚れを奥に押し込んでいるだけになってしまい後々エアコンから嫌な臭いがしてしまう可能性すらあります。

アルミフィンにスプレーをするとドレンパンという排水路の役割をしている部分に汚れやスプレーの薬剤が流れ落ち、そこから外に繋がるドレンホースへと流れて汚れが外に排出されるのですが、スプレーの威力だけでは外まで汚れを流すことができず、ドレンパン部分に汚れや薬剤が溜まってしまう可能性が高いです。

ちなみにプロの場合は、高圧洗浄機を使い大量の水でしっかり汚れを落としながら洗い流すので内部を確実に綺麗にすることができます。

お掃除機能付きは難しい

お掃除機能付きエアコン

お掃除機能付きエアコンは構造が複雑

お掃除機能付きエアコンはエアコンカバーを外さないとアルミフィン部分に洗浄スプレーを十分に吹きかけられないことが多く、エアコンカバーを外そうとしてもパーツやネジが多く複雑な構造で外すのが大変です。

外したはいいものの、組み立て方がわからず元に戻せなくなってしまう人もいるのでお掃除機能付きのエアコンを使っている場合にはプロの業者にクリーニングをお願いする方が絶対に得策です。

自分で掃除をして安く済ませたい気持ちもわかりますが、故障させてしまっては逆に高くついてしまうのでお掃除機能付きエアコンの場合にはプロに依頼することをおすすめします。

エアコン掃除スプレーで
火災が起こる危険性もあり


▲スプレーで火災が起きる再現映像

エアコン掃除スプレーの使用においては火災の危険性もあります。

NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)に寄せられた、平成21年〜25年度に発生したエアコン事故の中で「洗浄液や結露水等の液体が機器内部に付着してトラッキング現象が発生してショートした」事故が35件発生しています。

そのうち、エアコン本体だけの出火に止まったのが17件、周囲の製品や建物などにも被害を及ぼしてしまったケースが18件あります。(情報:経済産業省/NITE/エアコンクリーニングに携わる皆様へ)

また神戸市のホームページにはエアコン洗浄についての発火の危険性についての注意などがしっかりと記載されています。

その中で、火災が起きたエアコンの化学分析調査を行った結果、市販のエアコンスプレーの成分であるアルカリ性洗浄液に含まれるナトリウム、カリウムなどの成分が検出されたとの報告もありました。(情報元:神戸市ホームページ-エアコン洗浄に起因する火災)

洗浄液の多くは電解質な成分で、電気部品に薬剤や結露が残ることが原因で火災危険や故障の原因になるため細心の注意が必要です。

【素人におすすめ】
エアコン洗浄スプレーの選び方

  1. 泡タイプは避けた方が無難
  2. 内部ファン用のスプレーも避ける
  3. 香り付きは避ける

この3つのポイントを押さえておけばエアコン洗浄スプレー選びで失敗する確率をグンと下げることができます。

泡タイプは避けた方が無難

泡タイプ
エアコン洗浄スプレーには液体が噴射されるタイプとムース状の泡が噴射されるタイプの2種類があります。

液体が噴射されるタイプは吹きかけてそのまま終わりですが、泡タイプの場合にはムース状の泡を吹きかけてから液体タイプで洗い流す必要があったり、自分で水で洗い流す必要があるものが多いためあまりおすすめできません。

初心者では泡をしっかりと洗い流すことが難しく、流し残しがあるとエアコンが傷んでしまったり薬剤が残ってベタベタしてしまい臭いやカビの原因となります。

エアコン掃除を自分でスプレーでやる場合には、液体タイプの方が扱いやすいです。

内部ファン用のスプレーも避ける

内部ファン
エアコン掃除スプレーには熱交換器(アルミフィン)に吹きかけるタイプと内部の送風ファンに吹きかけるタイプの2種類があります。

カビやホコリが一番溜まりやすい内部送風ファンをスプレーで掃除すれば少しはカビやホコリが綺麗になりますが、スプレーだけでは完全に汚れを落とすことが難しく、さらに完全に落としきれなかったカビやホコリに薬剤が浸透してベタベタになり余計に臭いや汚れが悪化してしまう可能性もあります。

内部送風ファンを自分で綺麗にしたい場合にはスプレーを使うよりも、使い古しの歯ブラシなどで地道に擦った方が綺麗になります。

香り付きは避ける

香り付き
エアコン洗浄スプレーには無香料と香料付きタイプがあり、香りが付いている方がエアコンの臭いを解消できる気がしますが香りと臭いが混ざってしまい余計に悪臭になってしまう可能性があります。

エアコン掃除をあまり行っていない人でスプレーで掃除をしようと考えている人は無香料(香りなし)の洗浄スプレーを選ぶことをおすすめします。

エアコンクリーニングを業者にやってもらった翌年などであれば香り付きのエアコン洗浄スプレーでも良いと思います。

エアコン洗浄スプレーおすすめ5選

エアコン掃除専用スプレーとは一言でいっても、その種類は多く、各メーカーから様々なものが販売されています。そこでおすすめなエアコン掃除スプレーを3つ、厳選してご紹介します。

らくハピ アースエアコン洗浄スプレー
防カビプラス 無香性

アースエアコン洗浄スプレー防カビプラス無香性出典:アース製薬

アース製薬株式会社より販売されている「らくハピ アースエアコン洗浄スプレー防カビプラス 無香性」が一押しです。

エアコン洗浄スプレーの中でも噴射の勢いがよく、簡易清掃・除菌・消臭・防カビの4つの効果が期待できるエアコン洗浄スプレーで、我が家でもエアコンクリーニングを頼まないときは「らくハピ アースエアコン洗浄スプレー防カビプラス 無香性」を使って掃除しています。

無香料で薬品のような臭いも少なく、中性で作られているのでエアコンを傷めてしまう心配も少ないですし、容量が多く1本でエアコン1台をしっかり洗浄でき、他製品よりも価格が安いのでコスパが一番良いエアコン洗浄スプレーです。

らくハピ アースエアコン洗浄スプレー防カビプラスは自分でも簡単にお掃除できる部分「アフミフィン部分」の掃除に使うスプレーです。

エアコン内部クリーナーシュ!シュ!

エアコン内部クリーナーシュ!シュ!出典:株式会社ケミコート

超電水から生まれたエアコン内部のアルミフィン専用クリーナーがエアコン内部クリーナーシュ!シュ!です。超電水クリーンシュ!シュ!は電気分解して作られたアルカリイオン水100%の除菌洗浄水で、赤ちゃんグッズやペット周りの掃除などにも使用できる除菌力と洗浄力を兼ね備えた水です。

その電解水をベースにアルミを保護するケイ酸塩だけを混ぜて作られたエアコン内部クリーナーは人体への影響が少なく、環境にも優しいものです。超電解水の高い浸透力で汚れの細部にまで入り込み、汚れに含まれる油分を溶解し、たんぱく質を分解して行きます。

汚れをしっかりと浮き上がらせることができるのでどんなエアコンの細かいパーツの中でもしっかり汚れを落とすことが可能です。汚れた水は渡連から排出され、手軽にエアコン掃除を行えます。

エアコン内部クリーナーシュ!シュ!は自分でも簡単にお掃除できる部分「アフミフィン部分」の掃除に使うスプレーです。

エアコン洗浄スプレー防カビ フレッシュフォレスト

アースエアコン洗浄スプレー防カビプラスフレッシュフォレストの香り出典:アース製薬

ランキング第1位でご紹介したエアコン洗浄スプレーの香り付きバージョンです。

ドラッグストアやホームセンターでも手軽に購入することができ、緑茶ポリフェノールと除菌剤が配合されていて、消臭効果と除菌効果に長けています。

とても気軽に、簡単に利用できるところが人気で、熱交換器に5㎝程離して、フィンの向きに沿ってスプレーするだけです。その後10分放置したら終わりで、汚れはドレンホースより排出されます。

アース製薬の製品という安心感と確実な汚れ落ちがリピートに繋がっていて、エアコン掃除スプレーで失敗したくない人におすすめです。

私はどんな香りでも香料の付いている製品が苦手なので第3位にしました。

らくハピ エアコンの防カビスプレー 無香性

らくハピエアコンの防カビスプレー無香性出典:アース製薬

アース製薬 超速乾 エアコン洗浄スプレーはロングノズルが付いてるので細かい隙間もしっかりスプレーすることができる洗浄スプレーです。

しかし、容量が少し少なく、隅々までしっかりお掃除していると1本では足りなくなってしまうこともあります。

商品名通りスプレーは超速乾で薬剤がポタポタと垂れてしまうことはなく、消臭成分に植物ポリフェノール配合しタバコのヤニや、カビの臭いをすっきり消臭しながら除菌・抗菌を行うことができます。

正直なところコレを購入するなら、ランキング1位で紹介している「らくハピ アースエアコン洗浄スプレー」を購入した方が良いです。同じアース製薬の商品です。

アース製薬 超速乾 エアコン洗浄スプレーは自分でも簡単にお掃除できる部分「アフミフィン部分」の掃除に使うスプレーです。

くうきれい エアコン内部洗浄剤

くうきれいエアコンファン洗浄剤出典:SHOWA

「くらしと産業の水を科学する」がキャッチフレーズのショーワが開発した「くうきれい エアコン内部洗浄剤」は科学技術庁長官奨励賞を受賞した優れものです。

洗浄能力としては高く評価したい洗浄スプレーですが、素人には手軽な方法ということができない使用方法なので第5位にしました。

くうきれいは1剤と2剤がセットになったエアコン洗浄スプレーで、エアコンの汚れを落とし、付着した薬剤を中和しきれいに落とすというものです。

洗浄液は冷却ファンの奥まで到達しやすい後発泡タイプで、ムース状の泡がアルミフィンについたカビやホコリをしっかり取り除いてくれます。2剤のリンスが1剤の泡を消し、汚れとともに排出されやすいよう中和してくれます。

汚れはドレンホースから流れ出るので部屋が汚れる心配もなく、使用した人の多くがその洗浄効果を実感しています。

くうきれい エアコン内部洗浄剤は自分でも簡単にお掃除できる部分「アフミフィン部分」の掃除に使うスプレーです。

エアコン洗浄スプレーを比較

順位 第1位 第2位 第3位 第4位 第5位
画像
商品名 エアコン洗浄スプレー
防カビプラス 無香性
エアコン内部クリーナー
シュ!シュ!
エアコン洗浄スプレー防カビ
フレッシュフォレスト
エアコン防カビスプレー
無香性
くうきれい
エアコン内部洗浄剤
特徴 コスパ◎
消臭/除菌/防カビ
容量が多い
無香料
電解アルカリ水
除菌/防カビ
消臭力弱い
無香料
コスパ◎
消臭/除菌/防カビ
容量が多い
香り付き
液だれしない
乾燥が早い
容量が少ない
ノズル付き
本格的洗浄
素人には向かない
薬剤が残るかも
DIYプロ向け
消臭
除菌
防カビ
洗浄 アルミフィン アルミフィン アルミフィン アルミフィン アルミフィン
乾燥 約10分 約40分 約10分 15秒 約60分
容量 420ml 420ml 420ml  170ml 洗浄剤200ml
リンスー180ml
購入 公式サイト 公式サイト 公式サイト 公式サイト 公式サイト

エアコン洗浄スプレーを使った
掃除のやり方を解説

エアコン洗浄スプレーを使って行うエアコン掃除のやり方を画像付きで解説していきます。注意点などあるので、ここは読み飛ばさずしっかり読んでいただきたいです。

ここで紹介しているエアコン掃除方法にかかる時間は約1時間前後です。

準備するもの

エアコン洗浄スプレー掃除で準備するもの

  • エアコン洗浄スプレー
  • 使わなくなった歯ブラシ
  • 掃除機
  • 割り箸もしくはヘラ
  • 雑巾2枚
  • バケツと水
  • ドライバー

コンセントを抜く

1.エアコンのコンセントを抜く
エアコンのコンセントを必ず抜きましょう。

洗浄スプレー程度でお掃除するならコンセントを抜かなくても大丈夫だと判断する人も多いのですが、万が一のことを考えてコンセントを抜いてから作業を行ってください。

前面パネルを開ける

2.エアコンの前面パネルを開ける
エアコンの前面パネル(蓋)を開けて中に取り付けられているエアフィルターを外します。

エアフィルターを外して洗う

3.エアフィルターを外す

エアフィルターを外したら、ホコリが付いている面に掃除機をかけてホコリを除去します。エアフィルターのメッシュは繊細な作りなので優しく掃除機をしてください。

3-1.エアフィルターに掃除機をかける

掃除機をしたら、ホコリが付いていた面の反対側から水で洗い流すと細かいホコリもしっかりと除去できます。歯ブラシなどで擦って洗うとエアフィルターが切れてしまう可能性もあるのでシャワーで洗い流して手で軽く撫でる程度にしましょう。

水で洗い流したら干してしっかり乾燥させておいてください。

ルーバー・エアコンカバーを外す

4.ルーバーを外す

ルーバー(風の向きを変える羽根)を外してからエアコンカバーを外します。ルーバーはエアコンメーカーによって異なるため、少しチャレンジしてみて外せない場合には「〇〇(エアコンメーカーや型番) ルーバー 外し方」や「〇〇(エアコンメーカーや型番) エアコンカバー 外し方」Googleやyahoo!で検索してみてください。

無理に外そうとすると折れてしまう可能性が高いので慎重に観察しながら外しましょう。

また、下記写真のようなアルミフィン部分が覆われているようなタイプのエアコンカバーの場合にはエアコンカバーも外す必要があります。

4-1.エアコンカバーを外す必要がある場合

エアコンカバーはネジを数カ所外せば簡単に取ることができますが、初心者の人には難しく感じる場合が多いため、上記写真のようなエアコンカバーの場合には業者にエアコンクリーニングを依頼することをおすすめします。

エアコンカバーを外すとこのような状態になります↓

エアコンカバーを外した状態

エアコンカバーを外さなくて良い場合

4-2.エアコンカバーを外さなくて良い場合

このようにアルミフィン部分がむき出しになっているタイプのエアコンカバーの場合にはエアコンカバーを外す必要はありません。

アルミフィンを掃除機で軽く吸う

5.アルミフィンのホコリを掃除機で吸う

アルミフィン部分の目地に沿って優しく掃除機をかけてホコリをある程度綺麗に除去します。アルミフィンは柔らかいので掃除機をぶつけたりしてしまうとすぐに曲がってしまうので、ゆっくり慎重に掃除機をしてください。

ホコリが大量にある場合にはしっかり掃除機をしてホコリを除去してからでないと洗浄スプレーで汚れを奥に押し込むことになってしまい、汚れが詰まってしまう場合もあります。

エアコン洗浄スプレーを使う

掃除機でホコリをある程度除去したアルミフィン部分にエアコン洗浄スプレーを使って掃除していきます。

エアコン掃除スプレーの基本的な使い方はスプレー本体の裏面に記載があるのでその使い方に従って使ってください。

今回私はランキング第1位でご紹介した「エアコン洗浄スプレー 防カビプラス 無香性」を使って掃除を行いました。

目地に沿って縦にゆっくり動かしながら目地の隙間に付着しているカビや汚れをスプレーで洗い流していきます。ここをある程度綺麗にできれば冷房や暖房の効きが多少は改善される可能性があります。

スプレーの水分や汚れは、エアコンから外に繋がっているドレンホースから排出されるので室内が濡れてしまう心配もありません。

注意点

6-1.エアコン電装部にスプレーをかけない

エアコンカバーを外した場合、心臓部とも言われる「電装部」には絶対にスプレーがかからないようにしてください。

スプレーの噴射口を電装部の方向と逆に向けるようにしてスプレーすることで電装部にスプレーがかかる可能性を少なくできます。

スプレーのダメな使い方

このようにスプレーを使うのはダメです。

スプレーの正しい使い方

上の写真のように電装部と逆に向けて使うようにしましょう。

エアコン故障の原因にもなりますし、エアコン火災の原因にもなります。エアコンカバーを外す場合で絶対的安全リスクを考慮する場合には、電装部にタオルをかけたり養生シートで養生してスプレーをしてください。

電装部を保護した様子

電装部を保護した様子

エアコンカバーを外さないでスプレーできるタイプの場合には、電装部周辺にかからないように気をつけてスプレーすれば問題ありません。

歯ブラシで内部ファンを擦る

7.内部ファンを歯ブラシで磨く

使わなくなった歯ブラシを使って内部のファンもついでにお掃除しておきましょう。

ここは一番カビやホコリが付着している部分なので、ファンの横目地に沿って歯を磨くように優しくブラッシングするとカビやホコリをドバドバ取ることができます。

床にカビやホコリが落ちるので、事前に使い捨ての養生シートなどを敷いておくとエアコン掃除後の片付けを楽に済ませることができます。

また、歯ブラシを少し濡らしてから行うとカビやホコリが飛び散りにくくなります。

タオルと割り箸で内部のカビを拭き取る

8.エアコン送風口内部のカビをタオルで拭き取る

タオルを水で濡らし、硬く絞ったタオルをエアコン送風口に入れて、割り箸で押すようにして手の届かない部分のカビを拭き掃除します。

点々と生えているカビをタオルでしっかり拭き取ることができるので地道に端から端まで拭きあげましょう。汚れたらタオルをゆすいでまた拭くの繰り返してある程度綺麗にすることができます。

力任せに無理矢理掃除するとエアコンに傷をつけてしまうので、ゆっくり時間をかけて掃除するのがポイントです。

エアコンカバーを元に戻す

カバーを戻しタオルで拭き上げる
エアコンカバーを元に戻して、ルーバーも元に戻します。

最後にエアコン全体を綺麗なタオルで拭き上げればお掃除完了です。

この方法であれば、自分でもある程度エアコンを清潔に掃除することができ、なおかつ自宅にあるものだけで簡単にお掃除できるので節約にもなります。

ただし、プロの業者が行うエアコンクリーニングを100点として比較すると、自分でエアコンをお掃除した時の仕上がり具合は40~50点くらいのイメージです。

送風で15分程度乾燥させる

送風で乾燥させる
これはあまり必要ないかもしれませんが、エアコン内部をしっかり乾燥させてカビを予防する目的として送風を15分程度運転して内部をしっかり乾燥させておくといいです。

エアコンクリーニング業者はクリーニング後に必ず暖房か送風でエアコン内部を乾燥させる作業を行います。

エアコン洗浄スプレーは乾燥するのが早く、内部が濡れたままになる可能性も低いのですが一応念のために送風で内部を乾燥させておくといいと思います。

エアコン掃除スプレーのQ&A

エアコンは高額な機械で、それでいて普段なかなか内部まで見ることがないものです。それ故、スプレーを使っての掃除も疑問に思うことが多く、不安に思うこともありますよね。

そこでエアコン掃除スプレーのアレコレについてをQ&A形式でさらに詳しく見ていきたいと思います。


故障するリスクはある?

故障のリスクは少なからずあります

機械は本来、水に弱いもので掃除の仕方によっては故障するリスクもあります。特に電源基板などに水分が付着してしまうと故障のリスクが高くなります。きめられた個所以外はスプレーを噴射しないようにし、注意して掃除することが必要です。


風量は改善される?

多少は改善されることもあります

エアコン掃除スプレーを使ってエアコンの風量が改善されるということは多少あります。ただし、それはエアコンの隙間に詰まった汚れが完全にきれいに取れた場合で、十分に掃除が行えなかった場合には返って目詰まりを引き起こしてしまうこともあるので、掃除の仕方次第です。


臭いは改善される?

軽減させることは可能です

エアコン掃除スプレーを使用すれば、カビやたばこのにおいなどの軽減につながります。ただし、掃除後十分にエアコンを乾燥させることができないと返って悪臭がきつくなるので注意が必要です。


冷暖房の効きはよくなる?

確実とは言えませんが多少はよくなります

フィルターの掃除だけでも冷暖房の効きは多少変わってきますが、内部をきちんと掃除できれば冷暖房の効きはさらに良くなります。ただし確実に掃除ができて、エアコン機の運転が良くなればということなので、スプレー掃除をすれば確実にエアコンの効きがよくなるというものではありません。


カビキラーを使っても大丈夫?

カビキラーはおすすめできません

「エアコンのカビ」と聞いて、カビなら「カビキラー」と連想する人も多いですが、カビだからと言ってエアコン掃除にカビキラーは危険です。

カビキラーは強いアルカリ性の性質を持つ薬剤で作られたカビ除去薬ですが、エアコン内部のアルミパーツはアルカリ性によって変色、変形してしまう可能性があります。

またカビキラーを使用すると、カビキラーを完全に洗い流す必要があります。

アルカリ性の薬剤がエアコンに残ってしまうとプラスチック部分の劣化やエアコンを使うたびに強烈なアルカリ臭が発生してしまいます。

エアコンだけでなく、体にもよくないのでエアコン掃除にはカビキラーを使うことはおすすめできません。


【結論】市販スプレーでのエアコン掃除は気休め程度

市販エアコン洗浄スプレー
今回、エアコン掃除スプレーの効果の検証に当たり、実際にエアコン掃除を行っているプロの業者にお話を伺ってみました。

どの業者も口をそろえて「エアコン掃除スプレーの効果は、エアコンクリーニングに劣る」とのことでした。

「エアコンをDIY洗浄する全手順」でエアコンを分解して洗浄する方法をご紹介していますが、分解して洗浄した経験のある私もエアコンスプレーはあまり汚れを落とすことができないと感じています。

エアコンは目に見えない部分の掃除が大半を占めるため、内部でどうなっているのかまでを素人が判断するのは難しいと思います。

また、業者さんのように高圧洗浄機を使って、透明な水が流れてくるまで丸洗いできればいいですが、スプレーでは汚れを落として奥に押し込んでいる感がどうしても残ってしまい、きれいになった水を見ることもできないので気持ち的にもキレイになったという確信を持つことができません。

実際に業者の意見の中に「半年に一度エアコン掃除スプレーを使って掃除している人のエアコンをクリーニングしたら、水が真っ黒だった」というものもありました。

エアコン掃除スプレーを使ってエアコンクリーニングの回数を減らしたり、臭いを多少軽減することはできますが、エアコンクリーニングと同じだけの効果を期待するには少し無理があります。

普段の掃除にエアコン掃除スプレーをうまく取り入れつつ、定期的にクリーニング業者に依頼するのが賢い利用方法だと思います。